池内 真由美 MAYUMI IKEUCHI
タオルは経糸(タテ糸)と緯糸(ヨコ糸)で成り立っています。整経という作業は文字通り、パイル糸と下糸の経の糸を整えることを指し、タオルづくりの基礎に当たります。線である糸をたくさん並べて「太鼓」と呼ばれる整経機に巻き付けていき、幅数メートルの面を作ります。言葉で説明すると単純で簡単そうですが、湿度や気温、それぞれの糸の状態を最終は手で確かめながら、全ての糸を均等なテンションに仕上げるのをはじめ、とにかく正確さを求められるため、とても難しく奥深い作業だと私は感じています。
絵柄やデザインなどに大きく影響する緯糸に対し、経糸はタオルの品質にダイレクトに関わると言えます。品質をモットーとする楠橋紋織の要となるセクションであり、ブランドの評価や価値に連なる仕事です。だから私は、もっと正確にもっと早くもっと美しく整経技術を磨きたいと思っています。
商品となったタオルを見ても、パッと見ただけでは経糸(特に下糸)は目立ちませんが、タオルの雰囲気や佇まいを醸し出しているんです。だから、自分が糸を整えたタオルが商品となっているのを見るのはとても嬉しいし、少し誇らしいですね。